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zoom RSS まさに現代の文人!「榊莫山と紫舟のシンフォニー」展を見る

<<   作成日時 : 2017/05/18 15:48   >>

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奈良国立博物館の周辺をぶらついていたら「榊莫山と紫舟の
シンフォニー(交響)」展のポスターが目に留まりました。場所は
すぐ近くの奈良県立美術館。
しかも、65歳以上は無料だという。

莫山さんの画文が一体となった作品が好きです。絵もいいし、
文字はもちろんすばらしいし、自作の文章(本人はフレーズと
呼んでいる)もシャレています。
それが無料で見えるとは!

こりゃ行かなきゃな。

美術館の2階が会場。県立とはいってもそれほど広くありません。
板橋区立美術館よりはやや広いかもしれませんが、府中市
美術館よりは狭いように感じます。
しかし会場の作りはけっこう複雑で、というか単にあちこち引き
まわしているだけかもしれませんが、展示スペースは十分に
確保されています。

そのスペースに莫山さんが7割、紫舟さんが3割くらいを使って
作品が展示されています。

入り口入って1つ目の作品にまずびっくりしました。
莫山さんが旧制中学5年生の時の楷書作品です。「樂志論」を
半切(だったかな)用紙に書いていますが、骨格の確かな堂々たる
楷書です。
旧制中学5年といったら15歳かそこらでしょうか。その年齢で
ここまで立派な文字が書けるとは。1点1画がぴしりと決まって
いるだけでなく、精神の崇高ささえ感じさせます。

書の作品では奥様の詩を書いた2曲1隻の屏風(「愛おしみ」)や
般若心経を円形の中に収めた「円想般若心経」に惹かれました。

そうはいってもやはり、ワタクシは書よりは画文一体の作品の
ほうにより惹かれます。
これらの作品は気軽の描かれているように見えます。本当は
全然気軽じゃなく苦労して描いたのかもしれませんが、しかし、
作品は実に軽やかで苦労とか逡巡などはまるで感じさせません。
楽しさが漂いしゃれっ気が溢れています。
あるいは清々しい空気や自然、季節の喜び、歴史や風土への
畏敬と慎みなどが、単純化された絵から匂い立っています。

「古キ仏ハ」はお寺の屋根を下から見上げて、その手前に
ピンクや黄色の満開の花々を色彩だけで表わしています。
その下部を囲むようにして「古キ仏ハ花ニ酔ヒ・・・」という自作の
フレーズを細い文字で書き入れています。この文字の味わい
深いこと!

全ての作品に共通していますが、この細い文字の配置と
「莫山体」というしかない独特の美しさが、洒脱な絵と一体と
なって見る者を魅了します。
それはデザインセンスの良さとも言えます。
「麦ノ畑ヲ」はデザイン的にも抜群です。
「イタドリ」や「ボタン」なども、そのセンスの良さにうっとりする
のみ。もうたまりません。

そして凄いのはですね、誤字を線で消している作品(「陶淵明」)
があるのですが、その部分さえも書の味になっていることです。
ふつうなら文字を書き間違えたら廃棄するでしょうが、莫山さんは
平気で作品として楽しんいる。自分の楽しみのために書いて
いるからでしょうね。

また書き誤りと思われる箇所もあります。
「リンドウ」のフレーズの冒頭「リンドウ咲イテ恋ヲ知ル・・・ツナ
甘イ唄ガアッタケド」となっています。解説は文章的に判読(意味)
不明ということで「ツナ」を四角で表わしています。
でもこれは明らかに「テ」を書き間違えて「ツ」にしてしまった
のだと思います。

これも本人は全然気にしないのでしょうね。
この大らかさはまさに文人の鑑と思えます。
広大な敷地の大きな旧家で自由気ままに生きた榊莫山さんの
真骨頂がうかがえます。
元首相の細川さんも文人風生き方をしていますが、榊莫山さん
こそが真の最後の文人だと思います。

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