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zoom RSS 横顔が知的で凛々しい!「快慶」展を見る

<<   作成日時 : 2017/05/12 16:09   >>

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奈良国立博物館の「快慶−日本人を魅了した仏のかたち」展の
入り口入ってすぐのところにボストン美術館の弥勒菩薩立像が
展示されています。
頬がふっくらして目はややつり上がり気味で口は小さめ、
正直いってソフトボールを大きくしたみたいなお顔です。
苦労もなく育てられた、わがまま一杯の御曹司という感じです。
なんとなく某国の最高責任者をホーフツさせます。

金箔がきれいに残り、姿かたちや衣の処理などは抜群ですが、
そのソフトボールみたいなお顔のせいで、「どうもなあ・・・」と
思いつつ、側面に回ってみたのです。
すると、どうでしょう。
某国の最高責任者みたいなわがまま一杯の顔が、実に知的で
凛々しい青年に一変したではありませんか!
鼻梁はまっすぐに伸び、口元はギュッと引き締まっています。
どこから見ても理知的で思索的で、物事の本質をとらえることに
そのすべてを捧げているようです。
無責任な発言や放言、暴言などを得意げに声高に垂れ流す
政治家どもの対極に位置するお方です。

この横顔に驚いて、京都・醍醐寺の弥勒菩薩坐像(6/4まで展示)
も横から見ました。
この弥勒菩薩もどちらかと言えば丸顔ですが、ボストン美術館
ほどは頬はふっくらしていません。ですから、正面から見ても
それなりに知的なお顔をしています。
けれど、こちらもやはり横顔のほうが数段知的に見えるのでした。
印象はボストン美術館のとほとんど同じです。

横顔を見ることができた仏像はほぼ正面より知的でした。
(このことは、人間なら誰しも横顔のほうが知的に見えるという
ことを意味しているわけではございません。ワタクシは自分の
顔で確認したのでございます。ちっとも知的ではありません
でした。もっともワタクシの場合は正面も呆けておりますが・・・)

横顔とともにもう一つ驚いたことがあります。
展覧会の図録を自宅で見ていて気がついたのですが、兵庫・
浄土寺の阿弥陀如来立像(裸形)のお顔です。
図録には全身像とお顔のアップとが載っています。
全身像は腹あたりの高さにカメラを据えて撮っています。
ですからやや見上げる形になっています。ワタクシたちが
実物を見る時の角度に近い状態です。

お顔のアップは顔の正面から撮っています。
この位置からは普通は見ることができません。
正面から撮ったお顔は、目がカメラの下あたりを見つめています。
くちびるもぎゅっと結んで、厳めしい表情です。

ところが全身像のお顔は目がカメラ(ワタクシたち)を見つめており、
口元にもかすかな笑みが漂っています。

快慶は明らかに、拝む人の位置から見て最高の姿になるように
この像を作ったんだなと確信できます。

ということは上記の弥勒菩薩2体も、その前に正座して見上げたら
横顔と同じくらい凛々しい理知的なお顔になったのかもなあ。
会場ではなかなか仏像の前に正座はできかねますので確かめて
いませんが、やってもよかったかな。(係員が飛んでくるかな?)

しかし、知的かどうかなんて現代の価値基準に基づいて言っている
わけですし、そもそも当時の発願者が仏像に「知的」さを求めたか
どうかも怪しいですよね。
そんなことより、ありがたみがあるかどうか、頼りになれるかどうか
というようなことのほうが大事だったと思います。

まあそうはいっても、今の世に、しかも信仰心の薄いワタクシが
仏像に惹かれるのは、そのお顔の出来具合であることも否定でき
ません。

お顔のついでに言うと、京都・醍醐寺の不動明王坐像が可笑し
かった。
仏像は大体正面を向いているものですが(天部や十二神将などを
除く)、この不動明王は顔はやや右に向けています。しかし目は
右を見ています。周囲に目配りして怠りなく警戒しているぞ、と
アピールしています。
京都・正壽院の不動明王も同じ目付きです。

というように見るべき仏像ばかりなのですが、数が多いのは
阿弥陀如です。みんな立派なものばかりです。
が、しかし、最後のコーナーにはその阿弥陀如来立像の変遷を
見せるために、8体の阿弥陀立像が集められています。
みんなすばらしいです。それらが単体で展示されていたら、ホーッと
感激してじっくり眺めるでしょう。
しかし1部屋全部が同じような阿弥陀様ばかりだと、もったいない
ことですが、飽きてきます。それまで阿弥陀様も含めてもう十分
見てきているわけですから。
もちろん、お顔の作りは少しずつ差はあります。また衣の処理も
年代によって変化していることも解説されていますよ。でも気分は
「みんな同じ」なんです。

といわけで、最後でちょっと気分的に疲れてしまいましたが、
快慶仏のすばらしい数々を見ることができて心満たされた展覧会
でした。

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