細工は流流、「らくだ」をごろうじろ。「桂まん我ひとり会2020・特番」を聞く

噺家の中には「らくだ」を最後までする人が少なからずいますが、
ワタクシはらくだを運び出す場面で打ち切ってほしいなあと
思います。
前半、らくだの兄貴分(脳天の熊五郎)から無理難題を押し付け
られて商売にも行かせてもらえないかわいそうな屑屋。哀れすぎ
ます。その上さらに酒を無理強いされます。
しかしこの酒のせいで度胸が据わり立場が逆転します。ここが
この噺のクライマックスです。
ここで聞き手は胸がスカッします。気分が高揚します。
ところが、らくだの死骸を焼き場まで運ぶ後半を演じると、この
くだりがあまり面白くないこともあって、せっかくの高揚感が
しぼんでしまいます。
実に実にもったいない。
高揚した場面で切り上げてくれたら、その気分を大事に抱えた
まま帰路に着けるのになあといつも思うのであります。

7月4日のらくごカフェで開かれた「桂まん我ひとり会2020・
特番」は、「長講らくだを聴く会」と銘打っています。
どんな「らくだ」になるのか聞いて来ました。
「長講」と言っているくらいなので、予想はしていたのですが、
焼き場まで運ぶくだりに入って行きました。やっぱりやるのか、
とこれからの冗長な展開を考えてちょっと気分が落ち込み始め
ました。
ところが!
その冗長さを刈り込み、将来のことで弱気になった兄貴分が
心配事などを屑屋に相談するというやりとりにして、コンパクトに
かつスマートにまとめたのです。
サゲは「火屋(=冷や)」に引っ掛けたものにしていました。
この展開はよかった。
屑屋の「兄貴頼むと言え」もこの会話の中に取り込まれていて、
これなら最後まで聞いても盛り下がりません。

口演の後の挨拶によれば、この箇所は自分で工夫したのだそう
です。上々の工夫です。

当日の番組
・「平林」
いまみんながやっているサゲは、梅團治さんが考えたものなんだ
そうです。
・「近日息子」
くやみに行くために集まった連中の一人が、いつものように
知った風な間違いをおかす。業を煮やした男がそれに突っ掛かる。
この際だから言わせてもらうけどな!
このくだりは、かつて喜多八師匠で大いに笑わされましたが、
まん我さんの、関西ならではの言い間違いの数々、大変可笑し
かった。

仲入り
・「らくだ」
サゲに対する仕込みの意味もあったのでしょうが、マクラで前日に
名古屋の居酒屋で経験した出来事を話しました。なんとそこの店員は
お燗を知らないのだそうです。で、店長を呼んでもらったのですが、
店長も知らないし、できないという。
こんな店があるのか。
怒りまくるまん我さんを周囲の人がなだめ、まん我さんは焼酎の
お湯割りにした。すると焼酎と湯の入った器を持ってきた。
この湯に日本酒を浸ければええんとちゃうんかい!
飛沫が飛びまくるのでした。

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