道楽三昧

アクセスカウンタ

zoom RSS 面白さを損なう誤植と訳文。『やいばと陽射し』を読む

<<   作成日時 : 2018/07/13 10:02   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

金容満(キム・ヨンマン)の『やいばと陽射し』は、北朝鮮から
韓国に侵入してきた武装ゲリラと彼を取り調べた刑事との
長年に渡る奇妙な友情を描いています。

釈放されたゲリラは韓国でひっそりと暮らし、刑事は退職し
今は不動産会社を経営しています。
その二人の妻や家族、二人に関わりのある女性などの相互の
愛や思いやり、さらには、元ゲリラと近所の住民との交流も
描かれ、「陽射し」を感じさせる結末を迎えます。

話の展開など、ちょっと安易すぎないかという気もしますが、
過去と現在とを巧みにつなぎ合わせて興味を高め、最後まで
読ませます。

この作品、ホントだったらもっといいなあと思ったかもしれ
ません。でもその「いいなあ」は次第に小さくなっていきます。
というのも、誤植と訳文が・・・

誤植が多すぎます。その大半は、一回入力した文言を修正する
とき、削除しなければいけない文字がそのまま残っている、
あるいは逆に必要な文字まで削除してしまった、というものです。
例えば164ページの「関わったていたなら」。
これは「関わったなら」をあとから「関わっていたなら」に直した
と思うのですが、その時に「た」を削除しそこねているわけです
(多分ね)。こんなのがいっぱい!
論創社の編集者は一度も校正しないのかしら?

そして訳文にも疑問が次々と。
197ページには「カンカンに凍った体」という表現があります。
「カンカンに」ときたら「おこった炭火」とかってなるのでは。
「新明解国語辞典」では「日光が強く照りつけたり火が勢いよく
起こったりすることを表わす」となっています。
凍った状態なら「カチンカチンに」とかじゃないですかね。

210ページには「何か動めくものが・・・」というのがあります。
また不要な「め」を削除し忘れたのかと思いました。でも次行にも
出てきたので、もしかしてこれは「うごめく」かと思い至った
のであります。
ワタクシは初めて目にしました、「動めく」。こういう書き方も
するのでしょうか。
ひらがなか「蠢く」にしてほしいものです。

また会話の語尾に「さ」を多用するのにも違和感があります。
「さ」をよく使う人がいたり、そういう地域があったりする
ことは承知しておりますが、会話の最後には「さ」をつけておけば
いいんだというような安易さを感じてしまいます。
もう少し工夫してほしいなあと思います。

編集者がしっかりチェックをしていれば、もっと感銘深かった
だろうと思う『やいばと陽射し』なのでした。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私の小学生時代の通信簿は5段階表示の3だったと思います。いまだに句読点はめちゃくちゃで、ボキャボラリーは貧しく、間違いだらけです。しかし今回のブログのお話は酷いと言うより恥ずかしいですね、何といっても、プロのお仕事なのですから。今は文学の世界も粗製乱造の時代なのでしょうか。私も冷や冷やしながら、この文書を書いています。間違いがありましたら、笑って許してください。まあ、プロではないので、仕方がないか?
ふじみ野の名無しの権兵衛
2018/07/16 11:24
権兵衛さん、コメントありがとうございます。
早くブログ始めましょう。
建築の話、オーディオの話などなど、全国百万人の読者が
首を長くして待っています。
板橋亭
2018/07/16 19:26

コメントする help

ニックネーム
本 文
面白さを損なう誤植と訳文。『やいばと陽射し』を読む 道楽三昧/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる