弾ける圓太郎師と抑制の小燕枝師。「サウスピア駅前寄席」を聞く

昨日の雲助師匠の感想で、肝心なことを忘れておりました (メモをしないのでほとんど忘れてしまうのです)。船頭の 熊の櫓の漕ぎ方です。見事でした。押す時と引く時の扇子の 角度の変え方、腰の入れ具合、まさに本物。 美しい所作に見とれてしまいました。 さて14日の「サウスピア駅前寄席」。これは普段は木戸銭1000円 で出演者は一…
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雲助、三三両師に落語の真髄を聞く

今週はワタクシの小遣いの全てを注ぎ込んで落語に没入した と言っても決して過言ではありません、ってやっぱり過言かな。 「三三・左龍の会」(12/10)、「白酒・甚語楼ふたり会」(12/12)、 「らくだ亭」(12/13)、「サウスピア駅前寄席」(12/14)と 燗酒を飲む暇もなく落語会を聞いて、やはり落語はいいなあと 思うのであ…
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生きる姿を多面的に描く。パク・ミンギュ『短篇集ダブル サイドA』

パク・ミンギュは大の音楽好きらしい。そこで2冊同時刊行の 短篇集に、LPに敬意を表したタイトルを付けた由。 筑摩書房から出た『短篇集ダブル』サイドAとサイドB。 手に入れたLPはたいていA面から聞くように、ワタクシも まず「サイドA」を買いました。 一読して驚くのは作者の作風の広さです。いわゆる純文学系の シリアスなもの…
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美術館は思い立った時に気軽に行きたいものだ

建て替えのため長らく休館していたブリヂストン美術館が 名前をアーティゾン美術館と変えて、いよいよ来年1月に オープンするとのこと。 待ち焦がれていましたがな、おっとり刀で駆けつけまっせと 意気込んで、開館記念展の凝りに凝ったパンフレットを見て いたところ、何と入館は日時指定の予約制だと書いているでは ありませんか。 日にち…
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聞き手のモヤモヤを一掃する白浪クンの「寿限無」!

11月25日、池袋演芸場下席昼の部に行ってきました。 トリの白酒師匠や今松師匠、歌武蔵師匠がお目当てだったの ですが、二ツ目の白浪クンに笑ってしまいました。 前座のあとに出てきた白浪クン、何と「寿限無」を始めるでは ありませんか。おいおい、そりゃないだろってガックリした のですが、ところがこれが・・・ 前座噺の「寿限無」…
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人類の未来はクモの糸が頼り。『クモのイト』を読む

神田神保町の東京堂書店。ふだんは行かない生物学関係の コーナーをたまたま通りかかったら、書店員の手書きの ポップが何枚も書棚の側面に貼られています。 クモへの愛情を熱烈に訴えています。えらく力が入って います。鼻息まで聞こえてきそうです。 下には『クモのイト』という本が平積みされています。 表紙カバーが生物学の本としてはえら…
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墜落の日々に愛は可能か。『中央駅』を読む

キム・ヘジン『中央駅』は、怖い小説です。 現代社会の非情さの中で人間性のすべてを剥ぎ取られ、とことん 堕ちていく人々の姿を描いています。弱肉強食の容赦ない実態が リアリティをもって語られます。 語り手の「俺」がキャリーケースを引きずって、初めて<中央駅> 周辺のホームレスの中に寝場所を見つけるところから物語は 始まります…
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子作り専用共同住宅の住み心地は?『四隣人の食卓』を読む

少子化に悩む日本では自民党議員がしばしば女性は3人以上 子どもを産んでほしいとか、立候補している女性議員の応援 演説で、彼女の成果は子どもを産んだことだなどと発言して おります。 韓国でも少子化は問題のようで、ついに政府は「夢未来実験 共同住宅」というものを作ってしまいました。 といってもこれはク・ビョンモの『四隣人の食卓』…
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迷路的文体の粘着力。保坂和志『地鳴き、小鳥みたいな』を読む

保坂和志さんの『地鳴き、小鳥みたいな』(2016年刊行) には4編の短編が収められていますが、いずれも文体が 独特です。 頭に浮かんだことを整理せずにそのまま文章にしたという 趣です。したがって、右へ行くのかと思えば左に曲がり、 左へ行くのかと思えば地下にもぐったりと、気の向くまま 手の向くまま、関心の対象が移り変わっていき…
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古代人の想像力と技術に驚く。「人、神、自然」展を見る

これは現代アートか?、これはアニメやゲームにパクられた? これは現代のリアル表現以上じゃないの? 東京国立博物館の東洋館2階で開催中の「人、神、自然」展は、 予想をはるかに超えた数多くの工芸品が並んでいるのでした。 ここに展示されている120点近い工芸品は、カタールの王族の 一人が集めたもので、その名前をとって「ザ・アール・サ…
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寛容で自立した人々。『とんがりモミの木の郷』を読む

岩波文庫の新刊『とんがりモミの木の郷』というのを読んで みました。作者はアメリカのセアラ・オーン・ジュエットで、 初めて知った名前です。1849年生まれ1909年没だそうです。 文庫には6編が収められていて、標題作はやや短めの長編で、 それ以外はいずれも短編です。 標題作「とんがりモミの木の郷」は、語り手の「わたし」が …
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「さんま火事」と「しまつの極意」、黒門亭出口で悩む

11月9日の黒門亭第一部で藤兵衛師匠は、ケチな人を扱った 小噺をいくつか紹介した後・・・ 長屋36軒の地主はあくどいケチ。長屋の子供たちから炭を かすめ取ったり、住人をだましてただ働きさせたり。 頭にきた住人達が大家に相談に来る。店子の訴えに大家は 仕返しを考える。 地主は油屋だ、火事を何より恐れている。長屋全員で一斉に …
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何という良心的なメーカー!錫のちろりの能作

効率だの利益だのと目の前の事しか考えないメーカーが 多い中、こんな良心的なメーカーがあるのかとワタクシは 感激してしまったのであります。 燗酒が人生最高の喜びであるワタクシは、何年か前に、 清水の舞台から飛び降りたつもりで、ワタクシにとっては 高価な2合入りの錫のちろりを買ったのであります。 デザインもすばらしい、燗のつ…
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キューバ最悪年のバタフライ効果。『ハバナ零年』を読む

1993年、キューバは最悪の年だった。金はなく、肉もタマゴも なく、外国人以外はビールもなく、通りに車はなく自転車が あふれ、常に停電が起き、電話もつながらない。 希望ゼロ。 ところが皮肉なことに、実は世界最初の電話はベルによって 作られたのではなく、キューバで発明されたという記事が イタリアの新聞に掲載された。作ったのはイ…
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初演とは思えない甚語楼師匠「代書屋」

「大江戸活粋(かっき)パレード」というものが日本橋周辺で 賑々しく行われている10月27日、お江戸日本橋亭へ「柳家 甚語楼の会」を聞きに行きました。 やっぱり甚語楼師匠の滑稽噺は面白い。会話の間合いや表情が 絶妙で、ワタクシの口はずっと開きっぱなし。 甚語楼師匠で気になる点はただ一つ。問いかける時の口調が 尻上がりになり、人…
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出た、志ん朝師匠のモノマネ!「桂宗助・桂吉坊二人会」を聞く

10月19日らくごカフェ「桂宗助・桂吉坊二人会」の昼の部の 冒頭トーク。毎回、米朝師匠のモノマネなどを織り込んで 大笑いさせてくれます。今回もたっぷり米朝師匠を演じて くれましたが、それに加えて今回はなんと志ん朝師匠まで 登場してしまいました 仙台であった落語会でのこと。 上方からは米朝師匠と宗助さん、東京からは志ん朝師匠と…
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修復されてご利益も倍増?の仏像!「文化財よ、永遠に」展を見る

住友財団が文化財修復の助成を始めて30年になるのだ そうです。それを記念して、これまでに修復した文化財の お披露目を各地の美術館や博物館で展示紹介しており、 東京国立博物館では仏像を中心とした展示会が開かれて います。題して「文化財よ、永遠に」。 地震国日本では仏像はおちおち立っていられません。 能登沖地震や東日本大震災…
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香港デモとイーユン・リー『さすらう者たち』

イーユン・リーの『さすらう者たち』(河出文庫)を読んで いる最中の10月14日、朝日新聞朝刊に「中国市場 香港 リスク」という記事が掲載されました。 それによると、NBAのあるチームのGMが香港のデモを 支持するツイートをしたところ、中国バスケット協会が 抗議し中国で行われたプレシーズンマッチの試合から 中国のスポンサーが下…
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三日連続で同じ常連客に会った落語会

先週はワタクシとしては初めてのことですが、三日連続で 落語会に行ってしまいました。驚いたことに三日とも同じ 常連のグループがいるではありませんか。 自分のことはさしおいて、ひゃあ、この人たちも好きなんだ なあと感心するとともに、傍若無人にしゃべりまくる うるさい人たちなのでちょっと迷惑なのも事実。 そんな人たちと好みが同じな…
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若手中堅は吉坊を目標に!「扇遊・吉坊二人会」を聞く

10月5日の三田落語会昼席は扇遊師匠と吉坊さんとの二人会。 お目当ては吉坊さんです。いや、もちろん扇遊師匠も聞きたい のですよ。でも、相手が吉坊さんでなかったら行ってないで しょう。 それにしても吉坊さん、聞く度に魅力が増しているのに驚き ます。この魅力をワタクシの貧弱な表現力では的確に伝える ことは無理ですが、あえて言って…
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