細工は流流、「らくだ」をごろうじろ。「桂まん我ひとり会2020・特番」を聞く

噺家の中には「らくだ」を最後までする人が少なからずいますが、 ワタクシはらくだを運び出す場面で打ち切ってほしいなあと 思います。 前半、らくだの兄貴分(脳天の熊五郎)から無理難題を押し付け られて商売にも行かせてもらえないかわいそうな屑屋。哀れすぎ ます。その上さらに酒を無理強いされます。 しかしこの酒のせいで度胸が据わり立…
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饒舌にして絶妙!『真夜中の子供たち』を読む

インドがイギリスから独立を果たしたまさにその時(1947年8月 15日午前0時)に、「私」(サリーム・シナイ)は生まれた。 午前1時までの1時間にインドで1001人の子供たちが生まれ、 10歳の誕生日まで生き残ったのは581人。子供たちはそれぞれ 不思議な能力を持っていた・・・ サルマン・ラシュディ『真夜中の子供たち』は、…
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丁巻がいい!丙巻もすごい『鳥獣戯画』。『芸術新潮』7月号を読む

『芸術新潮』7月号の特集は「謎解き 鳥獣戯画」です。これは もちろん7月から東京国立博物館で始まるはずだった「国宝  鳥獣戯画のすべて」展を当て込んだ(連携した?)のでしょう。 でも展覧会は来春に延期されました。でも雑誌は延期するわけ にはいきません。予定どおり刊行されました。売上はちょっと 減ったでしょうね、きっと。 …
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笑いは突破口、その先に・・『破壊せよ、と笑いは言った』を読む

5月から刊行が始まったちくま文庫「現代マンガ選集」の第2巻は 『破壊せよ、と笑いは言った』です。 書名のとおり笑いがテーマで、子供向けから大人向けまで、 59年から82年までの作品が収められています。ギャグマンガ だけでなくシリアスな作風のものも含まれています。笑いは ギャグだけではないということですね。 呵呵大笑から微苦笑…
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19世紀の最先端小説?『ブラス・クーバスの死後の回想』を読む

マシャード・ジ・アシスの『ブラス・クーバスの死後の回想』は、 タイトル通りクーバス氏が死んでから自分の生涯を回想する小説 です。 死者が語るというのが斬新です。出版されたのは1881年。19世紀 後半のこの時期に、死者を語り手にしようなどと考える小説家が いたでしょうか(よく知らないので、もしかするといたかも)。 全世界の最…
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茶褐色から原色の乱舞へ。「神田日勝 大地への筆触」展を見る

6月になって美術館がようやく再開され始めましたが、集客力の あるところは日時指定になったんですね。 東京ステーションギャラリーの「神田日勝 大地への筆触」展も、 ローソンで日時指定のチケットを買わなければいけません。 ちょっと手間です。 その手間を嫌ったのかコロナ感染を嫌ったのか、展覧会場は お客さんは少なめ。おかげで自分の…
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猟を通して社会を考える。『アロハで猟師、はじめました』を読む

散歩コースの公園に池があって、多くの人が釣りをしています。 時々コイとかフナなどを釣り上げています。こういう場所では キャッチ&リリースが原則です。たいていの人はハリを外して 逃がしていますが、中にはハリを口につけたまま、糸をハサミで 切っている人もいます。 逃がしてやって本人はいい気分なのでしょうが、魚のほうは 口を傷つけ…
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落語で笑える喜び。「白酒甚語楼ふたり会」を聞く

会場に着くまで半信半疑でした。本当に開かれるんだろうか。 会場の入口に落語会は急遽中止になりました、なんて貼紙がして あるんじゃないだろうな。 お江戸日本橋亭に着いたら、並んでいた人が入場し始めたところ です。ああ、本当にやるんだなあ! 6月3日の「白酒甚語楼ふたり会」。2か月半ぶりの落語です。 入口で前座さんが体温測定…
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人と社会の非道をえぐる『ポルトガル短篇小説傑作選』

ポルトガルの人口が1000万人で、1974年まで独裁政権が続き 言論統制も行われていた。独裁政権が倒れた後、文学界も春を 迎え、20世紀後半以降の作品は多くの言語に翻訳されている、 というようなことを『ポルトガル短篇小説傑作選』(現代企画室) の「あとがきにかえて」で教えてもらいました。 本書には、現代ポルトガルの選りすぐりの…
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奔放に弾ける言語の花火!『星に仄めかされて』を読む

新型コロナのせいで落語会がなくなって、この2か月笑うことが なかったのですが、この本のおかげで久しぶりに笑えました。 お笑いの本じゃありませんよ。真面目な小説です。でも、本文の あちこちに笑いが埋め込まれています。 多和田葉子さんの新刊『星に仄めかされて』。 『地球にちりばめられて』の続編です。 今回の主な舞台はコペンハ…
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大虐殺の中で少年は懊悩する。『ちいさな国で』を読む

5月18日の朝日新聞朝刊に「ルワンダ大虐殺 仏で容疑者逮捕」と いう記事が出ていました。普段なら素通りしたかもしれませんが、 その日はしっかりとキャッチし、読みました。 というのもちょうどそのとき、ルワンダの大虐殺を扱った『ちいさな 国で』を読んでいたので。 記事によれば、容疑者は政治家でも軍人でもなく実業家です! 民兵組織…
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八十八襲名裏話は秋までお預け?「宗助吉坊二人会」延期

5月24日にらくごカフェで予定されていた「宗助吉坊二人会」は、 やはり延期になりました。同じ演目で秋に開催予定とのこと。 今回、もしかしたら冒頭のトークで、宗助さんが来年八十八を 襲名することになったいきさつや裏話が聞けるんじゃないかなと 楽しみにしていたのですけどねえ。 八十八は米朝師匠の俳号なので、当然師匠の物まねが出…
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弱い者たちの呻きを繊細に。『わたしに無害なひと』を読む

チェ・ウニョンの2冊めの短編集『わたしに無害なひと』は、 ほとんどの作品が性的少数者や弱者ーーそれは女性であったり 年少者であったりするーーを描いています。 いくつかの作品では家庭内での弱者への暴力が出てきます。 父から次男への、兄から妹への、母から娘への暴力。それらは 黙認されています。 友だちがその兄から殴る蹴るの暴…
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コロナか熱中症か、それが問題だ。

5月11日昼過ぎ、いつものように近所を徘徊するために、 水筒を持ちストローハットをかぶりマスクをして家を出ました。 外は思ったより暑い。日陰はいいけど日なたはたまらん! 板橋の天気予報を見ると、最高気温は29度になるという。 4,5分歩いただけで、まずマスクの中が、さらに顔中がほてって きました。 すれ違う人はみんなマスクを…
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あっと驚く仕掛けが満載。『十二人の手紙』を読む

井上ひさし氏が亡くなって10年。 氏の40年前の文庫『十二人の手紙』が突然売れ始めたといいます。 神保町の東京堂書店では、4月下旬に売上週間ランキングの 文庫部門1位になったそうです。 なぜ突然売れ始めたのか。気になります。読んでみました。 プロローグを含めて12の話が収められ、それぞれの主人公の手紙と その返事などで構…
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憎悪と欲望をアナーキーに描く『フライデー・ブラック』

ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤーの『フライデー・ブラック』は、 人種間の偏見と差別、人間の果てしない欲望、それらを通して あらわになる格差などを大胆な手法で描いた短編集です。 冒頭に次のエピブラフが掲げられています。 〈心に描くものは、すべて君のもの〉 作者はケンドリック・ラマーのこの言葉に忠実に、想像力を 自在に…
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古臭さがしみじみといい!上林暁『禁酒宣言』を読む

かつて文学少年でしたので上林暁の名前は知っておりました。 でも雑誌や新聞で彼の小説を紹介しているのを読むと、私小説 らしい。新し好きの高校生が読むような代物ではなさそうです。 その印象がずっと残っていたので10代はもちろん、30代40代に なっても無視していたのであります。 で、60代になって初めて読んでみたのです。 ち…
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緊迫のライブ中継。ローラン・ビネ『HHhH』を読む

ローラン・ビネの『HHhH』(日本語訳2013年)はすばらしい。 歴史小説ですが、単純な歴史ものではありません。 あくまでも資料に忠実であろうとする。ウソや推測は入れたく ない。でも、そうするとただの歴史書になってしまう恐れが ある。 ローラン・ビネはどうしたか。 1939年、ナチス・ドイツはチェコを併合する。統治者とし…
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老ジャズメン、次々に新型コロナの犠牲に

新型コロナが世界中を翻弄しております。こういう危機の時には 国のリーダーの力量や資質がもろに出ますね。 やっぱり一番ひどいのがトランプ氏ではないでしょうか。暖かく なればウイルスなんか消えてしまう、などと迷言を吐きましたわな。 有効な対策が遅れて自国の感染者数が世界最多になったら、失政の 責任を中国やWHOのせいにしようと躍起…
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誰もが子どもだった!保坂和志『あさつゆ通信』を読む

漱石の『草枕』に、小説なんてものは開いたところをいい加減に 読むのが面白い、てなことが書かれています。 その見本のような小説が保坂和志さんの『あさつゆ通信』です。 今は大人の「僕」(高志クン=作者?)が、主に幼稚園から小学校の 頃の日々をつづったものです。 学校帰りの子どもたちを見ていてもわかりますが、子どもの行動は 予…
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