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zoom RSS 倦怠感を抱えた暗殺者の運命。キム・オンス『設計者』

<<   作成日時 : 2018/05/17 17:46   >>

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キム・オンス『設計者』(日本語版2013年)は、暗殺者と暗殺を
計画し指示する「設計者」との世界を描いた小説です。

本書にはドキッとするような記述があります。概要はこんな
感じです。

韓国では民主主義の時代になってから暗殺業が大きくなった。
なぜなら、独裁政権や軍事政権の時代は、民間による暗殺は
必要なかった。政権が大っぴらにやっていたから。

すごい信憑性を感じます。

主人公レセンは下っぱの暗殺者。指示された標的を指示された
方法で消さなければいけない。もちろん他の暗殺者も同じ。
ビジネスであり私情は挟まない。
しかし、暗殺を続けるレセンは次第に倦怠感に苛まれ始める。

この設計者界に世代交代による勢力争いが起こる。
レセンの兄貴分が殺され、自分を育ててくれた業界のドン
「狸おやじ」に対して見せしめ的脅迫が行われたことで、
レセンは私情を前面に出す。

設計とは無関係に、兄貴分を殺した「床屋」を殺す決心をする。
しかし「床屋」は、設計者も恐れる実力者。レセンに勝ち目は
ない。
本書のハイライトは、この対決場面です。

レセンは床屋に行き、散髪してもらいながら話をする。話は
次第に核心に近づいていく。
レセンの緊張感が伝わってくるやりとりです。
シャンプーが終わってレセンがナイフを取り出してからは、
一気に緊迫感が増します。
しかし床屋は冷静さを失わない。床屋の説得に応ぜずレセンが
ナイフを納めないため、床屋もナイフを取り出す。

二人の動きとナイフの使い方がリアルに克明に描かれます。
レセンは深手を負いますが、床屋の妻が止める。

傷がやや癒えたレセンは再び床屋と対決する。
この時レセンは意表を突く動きをし、驚いた床屋に一瞬の
スキができる。
・・・

物語の最後はスペクタクル映画並みの展開になります。

ちょっと安易だなあと思う部分と生々しいリアリティとが
入り交じり、最後は一気読みに突入します。
日本だったら直木賞は確実?

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