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zoom RSS 天安門事件は記憶され続ける。ハ・ジン『狂気』を読む

<<   作成日時 : 2017/07/16 18:22   >>

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劉暁波氏が亡くなりました。中国当局は海に散骨することを
要求し、遺族もそれに従ったようです。従わざるを得なかった
のでしょうね、きっと。
中国国内では劉氏の記憶を一刻も早く消し去り、天安門事件は
なかったことにしたいのでしょうか。
でも世界中の人々は知っている。

アメリカ在住の中国系作家ハ・ジンは、アメリカ留学中に天安門
事件をテレビで見て、中国に帰ることを断念したそうです。
そうして英語で小説を書き始め、高い評価を得るようになりました。
彼の『狂気』は天安門事件をテーマにした長編です(2002年刊、
日本語版2004年)。

山寧大学院生の「ぼく」は北京大学の博士課程に進むために
試験勉強に励んでいる。しかし、1989年の春に指導教官の
楊教授が脳卒中で倒れ入院する。「ぼく」は大学当局から
先生の付き添いを指示される。

楊教授は病室で様々なうわごとを口走る。高潔と思われていた
教授の口から、好色な内容や権力争い的な内容などのする
うわごとが次々と出てくる。
それらを聞いているうちに、「ぼく」は学者になろうとする意欲が
殺がれていく。
「ぼく」は教授の娘の梅梅と婚約している。彼女は北京で医学
研修中だが、学者への道を断念しようとしている「ぼく」に愛想を
つかし始める。
やがて教授は亡くなり、梅梅との婚約は解消される。

「ぼく」がそんな日々を送っている頃、ラジオの海外放送では、
学生たちが民主化を要求して天安門広場で集会を開いている
ことが連日報じられるようになる。
この動きに呼応して、山寧大学でも10余名が天安門に行くことに
なる。「ぼく」も参加するが、政治にはあまり関心はない。大学に
いると息が詰まりそうになるからというのが参加理由だった。

そして6月3日。
彼らは北京に着くが、駅の周辺はすべて封鎖され、天安門へは
たどり着けない。どこか突破できるところがないか探しているうちに
一行はバラバラになってしまう。
そして突然、軍隊の攻撃が始まる。戦車が走り、機関銃がうなる。
天安門に入れなかった「ぼく」の周りでも、次々に人々が倒れていく
・・・・

中国政府は天安門事件をなかったことにしたがっていますが、
これからも事件を扱った作品は生まれ続けるでしょう。

本当にこういう中国政府の態度は、戦時中の日本と同じですね。
大本営発表情報しかなかった時代。外国は現状をよく知っている
のに、国民は大本営発表ニュースのみ。

でも今の日本も知りたいことを100%知ることができるかというと、
疑問ですね。
だって、書類はすぐに廃棄されるうえに政治家や官僚たちの記憶力は
きわめて悪いから。これじゃあ、後の世に何の検証もできなくなります。
何を言ったか記憶にないくせに、言わなかったことだけははっきり
覚えているという不思議な人もいます。まだらボケなんですかね。
こんな人が国家の仕事をできるんでしょうか。
そのうえ証拠書類を野党やメディアが突きつけたら、個人メモだ
偽ニュースだとしらを切る始末です。

天安門事件は中国だけでなく日本の心構えも鋭く照射していると
思います。

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